西オーストラリアのパースに住んでいた頃、セントラルからの帰り道、いつものピザ屋さん。日本人向けフリーペーパーにも広告が載っていて、ローマ法王にピザを献上したことがあるやらないやらなんだかんだ。何回か食べに行ったことがあったのだけど、正確に言うと何回もってレベルだったかもしれないけど、兎に角、ピザもパスタも本当に美味しくて、お気に入りのお店だった。
オーナーは壁に飾られた青のフェラーリのドアに肘をかけてポーズを決めて撮った写真を指差して、どうだ俺の車はカッコいいだろ?みたいな感じでとてもフレンドリー。だからでもないけど、あれが実際は誰のフェラーリなのかはあえて追求しなかった。
そんなこんなでつまりはセントラルからの帰り道、いつも前を通るお気に入りのピザ屋さん。ランチタイムのバイトの帰りだったから、見かけるとオーナーピザ職人はいつもテーブルを拭いていたし、酔っ払って良い気持ちで通りかかったときにも、彼はやっぱりテーブルを拭いていた。
だからそうだね、ピザを作る、ピザを焼くピザ職人はとってもカッコいいけど、陽気に口笛なんか吹きながら、テーブルを拭いているときに感じるんだ、こういう仕事がしたかったんだ、ってね。
それが自称ピザの王様から習ったこと。だから僕は彼をピザの王様と呼ぶ。
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